モンシロチョウの飼育 3年 理科
3年生の理科、5月ごろにはモンシロチョウの観察を行います。
ただ教科書通り進めるのではなく、いろんな疑問を見つけていきたいところです。よく考えてみると色々な疑問が出てくるはずですよ。
なぜキャベツの葉を食べるのか。
蝶々の種類によって食べる植物は違うのか。
どうやってキャベツを探しているのか。
なぜ緑色をしているのか。
サナギの黄色い筋のような模様ななんのためだろうか。
春1番の蝶々はどこからくるのか。などなど
市販されているテストにこんな問題が出題されていました。
「チョウが決まった葉に卵を産むのはなぜですか。」
この問題を見てとても難しい問題だなぁと思いました。皆さんは答えられますか?
テストの模範解答では「よう虫のエサになるから。」となっていました。
本当にそうでしょうか?モンシロチョウの親はよう虫が食べるためにそこに産んでいるのでしょうか。もちろんよう虫が食べる植物に産むのは当然なんですが、例えばキャベツをミキサーにかけ、緑色の紙や脱脂綿に染み込ませたものを近くに置いておいたら間違って産みつけてしまわないのでしょうか。
モンシロチョウは何を目印にキャベツ(アブラナ科)を見分けているのかというと、アブラナ科特有のカラシ油配糖体の匂いですよね。ですから同じ匂いのするものであれば、葉っぱでなくても卵を産んでしまう可能性は十分考えられると思うのです。
テストで見回っているとある女の子が
「いい匂いがするから」と答えていました。おそらく担任の先生は不正解にしたと思いますが、個人的にはこれも正解で良いと思いました。
そもそも決まった葉に卵を産むと問われていますが、モンシロチョウだったらアブラナ科の植物ならどれでもいいはずですから、問題の聞き方がよくないと思うんですよね。
モンシロチョウならアブラナ科のキャベツ、ダイコン、セイヨウカラシナ、ブロッコリーなど
アオスジアゲハならクスノキ科のクスノキ、タブノキ、アボカドなど
モンキチョウならマメ科のスズメノエンドウ、カラスノエンドウ、シロツメクサなど
ちなみに至近要因と究極要因というものがあります。
至近要因はその行動にどのような利点があるのかを説明するのに対して、究極要因はその行動がどういうメカニズムで生じているのかを説明します。
モンシロチョウがアブラナ科に卵を生みつける至近要因は、よう虫の餌になるから。究極要因は、例えばカラシアブラ配糖体の匂いがする植物に好んで卵を産みつけることで種として生き残ることができたためとなります。
うまく説明できていないかもしれませんが、「なぜ」という問いには二つの側面から応えることができてしまうという話です。問題を作るときに少し気をつけたいところですね。