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個性を伸ばしとけばいいのか謎

誰もが個性を生かして生きれる訳ではない。
そのリスクを背負う勇気のある人ばかりでない。
普通でも全然構わない。
自分が自分の価値を見失わなければよい。

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一点集中型で自分の得意なことを伸ばす。
たしかに強い。

が、それが正解だ!と言われると少し疑問に思ってしまう。

大学生がそのように行動するなら別だが、小学生段階で一点集中教育をするのは少し無責任な気がする。(親であれ、教師であれ)

ひとつのことしか出来ないけど苦労せずに生きていける人間なんて一握りだし、その背景には周りからの支援が欠かせない。

それが本当に「生きる力」なのでしょうか。
いろいろなことに挑戦し、できることを増やすことが「生きる力」だと思っています。

一万時間の法則というのがあります。
「一万時間練習すれば一流に成れる」と思い込んでいる人がいるようですが、因果関係ではないということを頭に入れておかないといけない。

競争率の高い種目(音楽であれスポーツであれ)における一流の人達はだいたい一万時間以上の努力をしている。
ということであって一万時間練習すればいいという問題ではない。
youtu.be
(↑この動画すきです)


一点集中する目的として、誰かよりもひとつでよいから優位に立ちたいという他者意識が根底にあるとおもいます。
では、一点集中しても成功する(優位に立つ)ことができなかったら、、。

キルケゴールは人間は可能性の生き物だと述べています。
可能性があるから人は希望をもって生きていけるのです。
その可能性が失われたら、残すは絶望です。
極論ですが。(一点集中も極論だと思います。)

アドラー心理学入門という本にこんなことが書いてあります。
「普通である勇気」
...普通でいる勇気がないので最初は特別よくなろうとし、次いでもしもこれが果たせない場合は、特別にわるくなろうとする...
p63

一点集中する強みは理解できます。しかし、それだけでよいのかというとそうではないでしょう。
サッカーだけで生きていくという人が事故に遭ってしまったら、、。
絶望ですね。

一点集中型の教育、自己研磨は理想的であるものの、それだけに頼るのは良くないかなと思いました。
さらに言えば、対極とされる八方美人、オールラウンダーが悪とされるのは少し疑問に思えます。

小学校段階では、まず可能性を広げることが優先なのではないかと思いました。
自分の子供ができたら色々なことを経験させてあげたいですね。(多少親のバイアスはかかると思いますが。)


誰もが個性を生かして生きれる訳ではない。
そのリスクを背負う勇気のある人ばかりでない。
普通でも全然構わない。
自分が自分の価値を見失わなければよい。

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