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不登校気味の子と給食を食べられた話

通級指導教室に来ている子でクラスに行けない子がいる。不登校気味で学校に来れても午前のみ空き教室で母親と勉強をする。
コミュニケーションがとれる先生も少ない。
しかし話せる先生のお陰か、通級指導教室のお陰か、僕との初めての対面がうまくいき、授業ができている。


その子と関わるなかで、不登校だということに遠慮をしないようにした。すなわち気にしていないような雰囲気で接するようにした。不登校を心配するのではなく、ありのままの存在を認めようと務めた。(といってもなにもしていないのと同じだけど。)

もし仮にクラスに行けていないのはじぶんのわがままのせいだという思いがある時に、まわりに心配されると罪悪感を感じてしまうからだ。

人間関係、学習が原因でも体調不良とされることが多い。周りにはそう伝えられるし、周りからもそう扱われる。本人は嘘をつかざるを得なくなる。そうなると罪悪感を感じざるをえない。

なので無理に話しかけもせず、ただ淡々と授業をして、帰り際に「頑張ったね。」と声をかけるようにした。

まぁもともとはこちらから不快感を与えないようにして、単純接触の原理で好感度を積み重ねようって魂胆でした。

そして、なんと三回目に授業をしたあとに、一緒に給食を食べられた。他の先生がこの先生と給食食べてかない?と聞いてくれたお陰だけどね。
その子にとって給食は4ヶ月ぶりだったらしく、他の先生もその子の母親もすごく喜んでいた。こちらも嬉しい。

正直自分は人と話すのは苦手で、いつも聞き役に徹している。しかも食事中となるとさらに苦手だ。
そういうわけもあってか食事中はあえて無言にした。
もちろん会話がその子の負担になる可能性を考慮したという方が強い。
僕が手を合わせるとその子も手を合わせ、
子「いただきます。」私「はい、いただきます。」
自分からいただきますと号令をしてくれた。

無言であったがその子は完食でき、食器を職員室に片付けにいくことができた。
さらにまた給食を食べに来てくれるとも言った。


こういった子に対して「大丈夫?」だとか「無理しなくていいからね。」とかいう言葉がけは優しい言葉であるが、なんと答えたらよいかわからない言葉がけでもある。
質問は相手に答えることを強要することでもあるのかもしれない。
意外と気にせず普通に接するだけでも心が救われるのかもしれないなと思った経験でした。