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教師のいじめへのかかわり方という論文を読みました。

参考:教師のいじめへのかかわり方―いじめ加害経験者の面接を通して―(義達 佐野 2012)

下線部分は本文引用です。

 

岡山・高山(2000)が中学生を対象に行った研究では、いじめ加害者は高いストレス状態にあり、不機嫌や怒り反応がタック、教師との関係において不快な出来事を経験している生徒が多い

大河原(2007)はネガティブな感情を親に受け止めてもらえなかった子どもは、不快感情を適切に処理することができず、あふれてくる不快感情をいじめという攻撃性として発散させてしまう

 

 つまり教師や大人がこどものいじめを誘発させていたということでしょうか。

いじめに家庭環境の背景があるケースの存在は知っていましたが、家庭と同じく教師のあり方も考えないといけませんね。

 

身体の安全感・安心感ん中で表出させることで、暴走させることなく安全なものに変えて抱えていることができる

不快感情を大人が理解してくれるとあんしんできることで、その不快感情を表出することができ、適切に処理することができる

 

 まわりの大人が子どもの感情を受け止めて、理解してやらないといけません。つまり、いじめを行った児童に対する一方的な叱責は同じような結果を生むのでしょう。

 いじめの容認は絶対にしないという姿勢を見せつつも、加害者の理解も合わせて行い、攻撃的な感情の処理の仕方を学ばせていかなくてはなりませんね。

 

向山(2007)は、いじめは「授業が下手」「統率力がない」教師のクラスで多発し、いじめがクラスを支配する、と述べている。

 

 頭が痛いですね・・・。統率力・・・。でも授業力をつけようと努力すれば、本務である授業も洗練され、いじめも少なくなっていくということかもしれません。単純明快。できることをやりましょう。

 

学級内で多くの生徒がいじめに否定的な評価を下すには、その前提として、対人的な問題が学級内で生じたときに、問題の生徒をいじめることで解決するよりも適切な対人方略が存在することを、学級成員が知っている必要がある

 

 正義感でいじめをすることを否定してあげなければならないということ。さらに、そういう場合にどうすれば建設的なのかを示していく必要があるということ。そしてクラス全体がそれを知っていなければいけない。四月の段階で対人関係のトラブルの解決の仕方を考える時間を設ける必要があるのかもしれません。

 

不適切な権力の行使の教師認知は、いじめの加害傾向に影響を及ぼしており、不適切な権力を行使した教師の指導は、いじめを促進する働きをすることが示唆された。

 

 怒って椅子を蹴っ飛ばすような行為であったり、怒鳴り散らしたりする行為、一方的に断れないように命令するなど。これらの行為が子どもの加害傾向を促しているということですね。ドラマなんかの竹刀を持った生徒指導の先生なんてまさしく当てはまりますね。そんな人いませんけど。

 これが目で見た光景が加害傾向に影響を及ぼしているのであれば、テレビやゲームの暴力的なシーンも加害傾向に影響を及ぼすのかもしれないと思いました。

 

 

いじめ加害者はいじめ被害者に対して嫌だと思うところを理由にしていじめをしているため、いじめ被害者の方に非があると考えやすい。

 

 小学校の典型的ないじめの発端ですね。鼻をほじっているとか、鉛筆をかじっているとか。こういうところからいじめの加害者は自分の正当化するんですよね。

 

教師がいじめに気がついているにもかかわらずいじめに対してかかわらないということが、いじめ加害者にとっていじめの正当化につながっている。

 

 「先生が怒らないから別にやってもいいんだ!」ってことですね。勝手に決めつけるな。こういう考え方は正したいですよね。みんなやっているから・・って正当化して、責任転嫁する人間に成長してしまいます。

 

いじめ加害者は、いじめは反社会的行為だと知っており、(中略)いじめ被害者がいじめに耐え、ダメージを受けていないように見えることも、「自己肯定」につながっている。

渡部ら(2001)によれば、(中略)いじめを止めるものがいないと、止めないことがその場では適切な行動と認識され、いじめ加害者を支持する意識が強くなる

 

 ツイッターのように同じ意思をもった仲間を募れるシステムが学級にあれば、いじめに対抗できるようになるのかもしれないなと思いましたが、、。どうしたものか。

 というか反社会的行為だとわかっているならするなよと思いますよね。やはり上で述べてあるような正義感で正当化されたいじめが厄介ですね。

 

 「教師の積極的な関わり」はいじめを変容させる力がある。しかし、そこで解決したと思い込んでしまうと、いじめが再燃しかねないと。さらにいじめ加害者は適当なウソをついてごまかすこともあり、そこで教師がそれを信じてしまうと、信頼が損なわれる。いじめも再燃すると。加害者にも被害者にもフェアな先生は騙されそうなので気を付けないといけませんね。

 

ではまた。。